複数回に分けてお伝えしているHUAWEI Mate10 Proのレビュー 。今回は気になるPCモードについてです。
PCモードとは
名前の通りPCライクに使える機能です。他社でも同様の機能が存在していて、Galaxy S8やNote8のDeX Station(機能の名前は不明)や少し前の機種ではMotorolaの機種でもWebtopなる機能がありました。
ここ最近のトレンドというほど流行っているわけでもありませんが、Windows PhoneのContinuumという機能への対抗なのかという見方もあります。(Windows Phoneの話はここ最近聞かなくなりましたが…)
GalaxyではDeX Stationという専用のドックを購入し、ドックとディスプレイをHDMIケーブルで接続という形で使うのですがHUAWEI Mate10 Proでは特に専用のドックは用意されておらず、自分でType-C端子からからディスプレイへHDMIケーブルで接続する必要があります。
特に推奨のものや動作確認がされているという物を見かけず、不親切に感じてしまいます。
今回は購入時にAmazonでタイムセールされていたAnskpのHDMI/USB3.0/Type-Cハブを購入して試してみました。どうせならMatedockを買ってみるのも良いかもしれません。(動作するのかは分からないですが…)
使い方
起動
Type-C端子にHDMIケーブルへ変換するなんらかのケーブルをつなぎます。ディスプレイへも同様にHDMIケーブルを接続します。
特になにも設定していなくてもデスクトップモードへ切り替わります。
スクリーンショットを見れば分かるとおり、PCライクな操作方法なのでマウスカーソルで操作することになります。本物のマウスの代わりにHUAWEI Mate10 Proの画面をノートパソコンのタッチパッドのように使えるほか、USB OTGやBluetoothを用いて本物のマウスを接続することが可能です。
何が出来る?
基本的にインストールされているアプリをPCライクな表示で操作することが可能となっています。
例えばChromeを起動するとこの通り。Mate 10 Pro内で表示するChromeではなく、タブレット向けのUIになっていることが分かります。
ウィンドウのサイズも勿論変更できます。
勿論マルチウィンドウ機能も使えます。スマートフォンとは違い、画面サイズに余裕があるので3つ以上のウィンドウも扱うことが出来ます。
プリインストールのiWnnでは画像のように入力中の文字を変換する際のUIもパソコンライクになります。このおかげもあって、外付けキーボードとの組み合わせではブログの記事も快適に書くことが出来ました。
またChromeリモートデスクトップを使うと、リモートデスクトップ経由で本物のPCを操作することも可能です。(とはいえ、PC内のマウスカーソルの操作が面倒なので快適とはいえませんが。)
左下の■が四つ並んだアイコンや外付けキーボードのWindowsキーを押すとアプリ一覧が表示されます。(一部画像を修正しています)
壁紙だって変更可能。右下のWi-Fiなどのアイコン周囲をタッチすると通知一覧が開くほか、Wi-FiやBluetoothの接続、ON/OFFが可能です。
更に右下のスマートフォンでもおなじみのホームボタンなどは通常のオンスクリーンキーとして利用できます。アプリ履歴キーでは起動しているアプリの一覧を確認することが可能です。
動画を見ながらTwitterなんてことも出来るのでちょっとした実況なんかも出来ちゃいますね。
また、スマートフォンを傾けて操作するタイプのゲームも動作しました。遅延もそこまで酷くないので大きな違和感は感じずにプレイが出来ます。(ゲーム内で複数指での操作が必要になると難しいですが。)
PCモード時の注意
使えないアプリ/不完全なアプリがあります
一部プリインストールアプリや一部のアプリはアプリ一覧に表示されず、実質的に使うことが出来ません。
例えばGmailやYouTube、Amazonプライム・ビデオなどはPCモード時には使えません。Chromeが使えるのでそれで回避することが出来ないわけでもありませんが少し残念ではありますね。
しかし、アプリ一覧に表示されない=使えないということでもなくアプリ経由で起動できることもあります。一例として、アプリ一覧へは表示されないGoogle PlayストアはChromeでGoogle Playストアを開くことでアプリが起動します。
Google Playストアが起動すると端末にインストールされたアプリ一覧が確認できるため、そこ経由で起動できるアプリは少なくありません。
とはいえ、アプリ一覧に表示されない何らかの理由があると思うので完全に使えるという訳ではありません。(例えばYouTubeアプリなんかは動作がカクカクとしていました。)
また、全てのアプリがウィンドウサイズを変更出来るわけではありません。スマートフォン向けのアプリをはじめとした一部のアプリではスマートフォン同様の縦横比で起動してしまいます。
マルチウィンドウが不自由
Windowsであれば2つのウィンドウを開いている際、ウィンドウの上部をホールドしたまま左右のどちらかで投げることできっちり画面の半分にウィンドウを表示することが可能です。
特許周りの面倒くささもあるかと思いますが、2つのウィンドウをきっちり半々で自動的に表示するといったことがPCモードでは出来ません。
ドラッグ・アンド・ドロップが出来ない
テキストやファイルなどをクリックしたまま違うウィンドウへ移動することで貼り付けることが出来るドラッグ・アンド・ドロップがPCモードでは利用出来ません。
一部通知が使いづらい
PCモード内でTwitterの通知を開いたのに、スマホ側でTwitterが開いたり、電話着信時にはPCモード内に表示されないなど通知周りは微妙です。
ちなみにLINEでの着信時はこのようにフルスクリーン表示です。これはこれで怖い。
完璧ではないが面白い機能ではある
PCライクな操作にどこまで求めるかというのは難しい話かと思いますが、これはこれでありだなと思いました。
完全な物ではないとはいえ、PCのお作法(筆者はWindows以外のPC向けOSは利用したことがありません)を結構踏襲しており、ブログを書いたり、画像編集したりといったことなら非常に快適に出来ます。
難点は前項で触れたとおり。ウィンドウを半々できっちりと分けることが出来ないのは結構面倒なのでその辺が改善すればモブログも捗る…かもしれません。
また、たまにアプリが起動しなかったりスマホのUIのままで起動するなんて言うバグ的な物があるのですが、スマホ側でアプリ履歴を全消去してみると結構な確率で直ります
例えばホテルやカラオケの部屋で動画を見たい、ちょっとした作業がしたいなんていうときにHDMIケーブルでつなぎ、Mate 10 Proのリモコンアプリでテレビを外部接続へ切り替えれば早速操作ができます。どこぞの専用ドックが必要ということになってる他社製品にくらべ、ケーブルを持ち歩くだけという手間のなさも快適さの理由かもしれませんね。
なお、ケーブルを選ぶ際はType-C to HDMIな一本のケーブルより、Type-CからUSB/Type-C/HDMIの出力の出来るケーブルがオススメです。理由はバッテリーを充電しながら、マウスやキーボード、USBメモリーが扱えるからです。
PCモードでは無い使い方も
単純にスマートフォンの画面をそのまま外部ディスプレイへ表示することも可能です。
HDMIケーブルで外部ディスプレイへ接続後にHUAWEI Mate 10 Proの通知欄から「デスクトップ タップして端末モードに切替」という通知をタッチすると切り替わります。
アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ(通称デレステ)を外部ディスプレイへ出力すると大画面でPVが楽しめます。正直これはヤバいです。とにかくヤバい(語彙力不足)。
簡易なプレゼンや画像なんかの出力であればこっちのモードもオススメです。
Mate 10 Proじゃなくても外部出力したい…
テレビやディスプレイがMiracastへ対応しているのであればワイヤレスで画面を共有することが可能です。
通知バーを完全に降ろし、クイック設定ツール(Wi-FiやBluetoothなどのON/OFFが出来る箇所)の「マルチスクリーン」をタッチすると周囲の対応デバイスを検索、接続することが可能です。
結構遅延してしまう物の、これもまた使いこなせれば便利ですよ。
ちなみに、Miracast対応の製品が無い場合、AmazonのFire Stickを代用できます。Fire Stickのリモコンの決定ボタン(十時キーの真ん中)を長押しするとメニューが開くので「ミラーリング」の項目を選択しスマホ側で先述の「マルチスクリーン」をタッチするだけです。
Ascend Mate7を買って以来HUAWEIの端末デザインや、斬新な機能達に感動しファンになりました。これまで買ったHUAWEI端末は数知れず。アイコン画像は実際に所持していた端末の画像です。
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